第 1 問   次の問い(A・B)に答えよ。(配点  14)

 

 

A    次の問い(問 1〜3 )において、下線部の発音がほかの三つと異なるものを、それぞれ下の①〜④のうちから一つずつ選べ。

 

 

問1       1      

 

① illegal     ② logical     ③ tiger     ④ vague

          ¯                ¯                  ¯                 ¯

正解: ②

 

[イウ]/ì(l)líːg(ə)l/ (違法な)、②カウ] /lάdʒɪk(ə)l(論理的な)、

/tάɪgɚ/ (虎) 、/véɪg/ (あいまいな) 

 

下線部の発音は①、③、④が[グ] /g/であるのに対して、②だけが[ジュ] /dʒ/なので他の三つと発音が異なるのは②となる。

 

発音問題が苦手な方の中には、①と③は両方とも[ガ]と発音するので同じ発音だとわかるが、なぜ④の[グ]まで同じ発音なのか分からない、という方もおられるかもしれません。これは日本語の感覚をそのまま英語に当てはめてしまったから起こる誤解です。日本語の[ガ]の発音は、発音記号で表すと/gə/となり、/g/の音と/ə/の音を連続して発音してできる音です。[グ]は発音記号で表すと/gʊ/となり、/g/と/ʊ/を連続した発音です。下線が引かれている問題箇所はアルファベッの"g" のところだけなので、問われている発音は/g/の音だけです。したがって④の/g/も①、③と同じ発音だと判断することになります。

 

日本語では/g/のような子音は基本的に[ア]/ə/、[イ]/ɪ/のような母音とセットで発音されて「ガ」/gə/、「ギ」/gɪ/のようになりますが、英語ではそうとは限りません。"global" /glóʊb(ə)l/ (世界的な) のように子音 "g"の直後に子音"l"が連続して発音されるような単語も多く存在します。日本語で発音する[グローバル]の[グロ]と英語の"global"の/gl/は日本人にとっては同じ発音のように聞こえるかもしれませんが、英語では別の発音として認識されます。

 

英単語の中には、"extra" /ékstrə/ (余分な)のように、/k/, /s/, /t/, /r/ の4つの子音が連続するような例もあります。日本語で「エ・ク・ス・ト・ラ」(ekusutora)と発音すると、本来の/ékstrə/の子音の間に余計な母音(e・ku・su・to・raと発音したら、u, u, o )が入ってしまい、本来の単語と違う架空の単語のようになってしまいます。子音が連続することがある英語と、子音の後には基本的に母音が続く日本語の違いをよく理解しましょう。

 

 

問2       2      

 

① bounded     ② founded     ③ surrounded    ④ wounded

       ¯¯                   ¯¯                        ¯¯                    ¯¯

正解: ④

 

バウンディッドゥ]/báʊndəd/ (境界がある)、

ファウンディッドゥ]/fáʊndəd/ (設立された)、

③[サラウンディッドゥ]/sɚáʊndəd/ (囲まれた)、

ウーンディッドゥ]/wúːndɪd/ (負傷をした)

 

下線部の発音は、④が[ウー]/wúː/であるのに対して、それ以外は[アウ]/áʊ/となっているので他の三つと発音が異なるのは④となる。

 

①、②、③の該当箇所はそれぞれ、[バウ]、[ファウ]、[ラウ]のように思ってしまうかもしれませんが(上のカタカナ発音表記でも便宜上そのように書いていますが)、これも問1同様、子音と母音がセットになるという日本語の感覚からくる誤解です。問題の箇所は全て"ou"の部分だけなので、[バウ]、[ファウ]、[ラウ]から"b", "f", "r"の発音を省いた[アウ]/áʊ/の発音が問題の対象となります。逆に言うと、子音の"b", "f", "r"のすぐ後に[アウ]/áʊ/の発音を続けると、[バウ]、[ファウ]、[ラウ]の音になります。

 

したがって、①、②、③が同じ発音で④だけが違う発音だと判断できる。

 

 

問3       3      

 

① church     ② curious     ③ curtain     ④ occur

         ¯¯              ¯¯                  ¯¯                     ¯¯

正解: ②

 

チャーチ]/tʃˈɚːtʃ/ (教会)、 [キューリアス]/kjˈʊ(ə)riəs/ (好奇心の強い)、

カートゥン]/kˈɚːtn/ (カーテン)、[アカー/əkˈɚː/ (起こる)

 

①、③、④は[アー]/ɚː/で、②だけが[ユー]/jˈʊ(ə)r/なので②が正解である。

 

③と④はどちらも[カー]/kˈɚː/の発音に含まれる[アー]/ɚː/の音なのですぐに同じだと分かるはずです。①は[チャー]から"ch"[チュ]の音を除いた[アー]/ɚː/が問題の対象箇所なので①、③、④が同じ発音だと判断します。

 

※ 問題とは関係ありませんが、④の"occur"を[オカー]のように発音している方がいるかもしれませんが、"occur"の"o"の発音は "about"の"a"と同じ/ə/の発音です。"about" を[オバウト]と発音しないのと同じように、"occur" を[オカー]と発音すると違和感があります。

日本語の[オ]と[ア]の中間よりやや[ア]に近い発音です。軽く[ア]と声を出すとうまく発音できます。

 

B    次の問い(問1〜4)において、第一アクセント(第一強勢)の位置がほかの三つと異なるものを、それぞれ下の①〜④のうちから一つずつ選べ

 

 

問1       4      

 

① civil     ② purchase     ③ unite     ④ valid

 

正解: ③

 

スィブウ]/sív(ə)l/ (市民の)、②パーチェス] /pˈɚːtʃəs/ (〜を買う)、

[ユーイトゥ]/juːnάɪt/ (一体になる) 、リッドゥ] /vˈælɪd/ (有効な) 

 

①、②、④は第一音節にアクセントがあり、③だけが第二音節にアクセントがある。したがって③が正解となる。

 

③のuniteは動詞で[ユーイトゥ]のような発音になり、[]のところにアクセントがあります。この単語を名詞形のunit /júːnɪt/(単位)にしたら、発音は[ーニットゥ]のようになり、第一音節にアクセントが来るので注意が必要です。(単語の最後に"e"があるかないかで単語の意味と品詞が変わり、発音とアクセントも変わります。)

 

この問題は、名詞形と動詞形のアクセントの位置の違いをきちんと分かっているかを問う内容になっています。

 

 

問2       5      

 

① abandon     ② decision     ③ politics     ④ potential

 

正解: ③
 
[アンダン]/əbˈændən/ (捨てる)、②[ディッスィジョン]/dɪsíʒən/ (決定)、
リティクス]/pάlətìks/ (政治)、[パンシャウ]/pəténʃəl/ (潜在的な)
 
①、②、④は第二音節にアクセントがあり、③だけが第一音節にアクセントがある。したがって③が正解となる。
 
③のpolitics (政治) は名詞形で、形容詞形のpolitical ティカウ]/pəlíṭɪk(ə)l/ (政治の)はアクセントの位置が第二音節になります。名詞形と形容詞形でアクセントの位置が変わるので注意しましょう。また、カタカナ英語で「ポリティックス」と言うと「ティ」のところにアクセントがあるように感じます。カタカナ英語との違いにも注意しましょう。
  
 
問3       6      

 

① charity     ② continent     ③ demonstrate     ④ opponent
 
正解: ④
 
チャリテ/tʃˈærəṭi/ (慈善)、②ンティナントゥ]/kάnṭənənt/ (大陸)、
マンストゥレイトゥ]/démənstrèɪt/ (実証する)、
[アウネントゥ]/əpóʊnənt/ (対戦相手)
 
①、②、③は第一音節にアクセントがあり、④だけが第二音節にアクセントがある。したがって④が正解となる。
 
①の"charity"は、日本語で「チャリティー活動」などの表現でよく使われます。「ティー」のところにアクセントがあると思ってしまうかもしれないので、日本語との違いに気をつけましょう。
 
③ "demonstrate"の名詞形は"demonstration"デマンストゥレイション]/dèmənstréɪʃən(実演、デモ)
です。動詞形ではアクセントが第一音節にあるのに対して、名詞形では第三音節に変わるので注意が必要。
 
 
4       7      

 

① agriculture     ② discovery     ③ material     ④ philosophy
 
正解: ①
 
グリカルチャ]/ˈægrɪk`ʌltʃɚ/ (農業)、②[ディスバリ]/dɪskˈʌv(ə)ri/ (発見)、
[マィリアウ]/mətí(ə)riəl/ (材料)、 [フィサフィ]/fɪlάsəfi/ (哲学)
 
②、③、④は第二音節にアクセントがあり、①だけが第一音節にアクセントがある。したがって①が正解となる。